実験病理組織技術研究会資格認定制度規定
1.目的
実験病理組織技術研究会(The Japanese Association of Histotechnology:JAH)は、化学物質の安全性試験実施に関する基準(GLP)の施行に伴い、病理学的検査の信頼性保証の重要性に鑑み、病理組織学的検策の一躍を担う標本作製技術の品質及び信頼性の向上に寄与するために資格認定制度を実施する。
2.資格
- 実験病理組織技術認定士(Qualified Laboratory Technologist in Experimental Pathology:LTEP:以下技術認定士と略す)は、病理組織標本作製全般に関する基礎的な知識及び一定の技術と経験を有する者。
- 実験病理組織技術指導認定士(Qualified Laboratory Instructor in Experimental Pathology:LIEP:以下技術指導認定士と略す)は、病理組織標本作製に関する専門的な知識と応用力を有し、理論を理解すると共に、新規技術を導入する能力を有するなど、技術水準の高揚を図り、指導的な能力を有する者。
技術認定士及び技術指導認定士は、何れもJAHが行う資格認定試験において合格し、認定されることにより取得できる。
3.資格認定制度委員会
資格認定制度委員会は、技術認定士及び技術指導認定士の資格を認定する機関である。
- 資格を認定するため、JAHに資格認定制度委員会を置き、顧問が補佐する。
- 資格認定制度委員会には、資格認定制度委員を置き、委員長は、委員の中から選出する。
- 資格認定制度委員は、JAHの技術指導認定士有資格者の中から理事長が指名する。委員長ならびに委員の任期は3年とし、再任は妨げない。
- 資格認定試験の実施にあたり、資格認定制度委員会に試験部会を置くことが出来る。試験部会に関する細則は別に定める。
- 資格認定制度に関する事項を検討する。
- 委員に不足が生じた時は、理事長が必要に応じて(3)項に基づき補充する。
4.資格審査及び資格認定試験
- 資格審査及び資格認定試験は試験部会が行う。合否の判定は資格認定制度委員会で行い、判定結果を理事会に報告し、承認を得る。
- 受験資格審査の基準は、別表の受験資格審査細則の通りとする。
- 試験
- ・病理組織標本作製に関する筆記試験及び実技試験とする。
- ・受験料は3万円とする(受験料は返却しない)。
- ・認定料は1万円とする。
- ・書類審査(必要に応じて面接を実施する)とする。
- ・受験料は1万円とする(受験料は返却しない)。
- ・認定料は1万円とする。
5.審査細則及び試験大綱については別に定める。
6.資格の更新・喪失
- 技術認定士、技術指導認定士を取得後、原則として5年ごとに資格更新を行う。資格更新の細則は別に定める。
- 技術認定士、技術指導認定士として適確でない事由が生じた場合、資格認定制度委員会にて審議し資格を取り消すことがある。
7.その他
この制度の改訂は、理事会及び評議員会で承認後、総会で報告する。
付則:
- 1996年04月01日から施行する。
- 1996年11月30日改訂
- 1998年06月20日改訂
- 1999年06月05日改訂
- 2004年05月22日改訂
- 2010年06月05日改訂
- 2013年06月21日改訂
- 2015年06月20日改訂
- 2016年07月02日改訂
- 2017年06月30日改訂
- 2018年06月29日改訂
- 2019年07月05日改訂
- 2024年05月18日改訂
資格認定試験・大綱
- 試験方法、内容については認定制度委員会において検討するが、これらについては、会員にあらかじめ開示する。
- 試験は、資格試験であり合格者定数は定めない。
- 技術認定士の試験は、毎年1回行う。
- 技術指導認定士の審査は原則として毎年1回、技術認定士の資格認定試験と同時期に実施する。
資格認定制度試験部会・細則
- 試験部会の部員は、資格認定制度委員の他、評議員の中から資格認定制度委員長が委嘱する。
- 試験部会の主な任務は、試験に関わる事項である。
- 部員の任期は3年とし、再任は妨げない。
受験資格・審査細則
- 実験病理組織技術認定士
- (1)出願時に継続して会員であり、年会費を完納していること。
- (2)JAHが主催の総会・学術集会、その他イベント等に限る。これを証明する書類またはコピーを提出。
- (3)JAHが主催の総会・学術集会、その他イベントの発表あるいは会誌への投稿どちらか1回以上が必要(筆頭とする)。
- 実験病理組織技術指導認定士
- 1)出願時に継続して会員であり、年会費を完納していること。
- 2)技術認定士の認定資格取得後の病理組織標本作製業務の実務経験が5年以上であること。
尚、経験値が高い方(既に他の学会・研究会において病理組織技術に関する発表が多い)や知識が豊富な方(病理組織技術に関する講師、論文や雑誌での発表が多い)はこの限りではない。 - 3)職務経歴書[研究会登録年及び技術認定士の取得年(西暦)、職務経歴書、研究会での発表履歴(学術集会、技術研修会、会誌への投稿など)]
会員歴1)参加数2)発表・論文数3)
満3年 2回以上 1回以上
認定資格 会員歴1) 年数2) 受験条件3)
技術認定士満10年以上満5年以上職務経歴書
資格更新についての細則
- 資格取得または資格更新後5年を経過して、更に継続を希望する者は、資格更新手続きを行う。なお、技術指導認定士の資格を更新する場合は、技術認定士の更新申請は不要とする。
- 資格更新は次の基準による。
- (1)資格更新申請時に継続して会員であり、年会費を完納していること。
- (2)資格更新申請時において、過去5年間に、技術認定士および技術指導認定士は別表のポイント基準による合計が「技術認定士及び技術指導認定士いずれも50ポイント以上」であることとする。 但し、両者共にJAHが主催する総会・学術集会、その他イベントのいずれかに合算して3回以上の参加を有すること。
- 更新希望者は、資格認定制度委員会が指定した期間内に所定の申請書類を提出する。「更新決定通知書」受領後、更新料1万円(技術認定士、技術指導認定士何れも)を入金する。
更新の審査は、資格認定制度委員会にて行い、合否の結果を理事会に報告し、承認を得る。 - 更新ポイントの救済措置
- 更新時に基準のポイントに満たない場合(疾病等やむを得ない理由)は、具体的な理由を明記した「更新ポイント保留願い」を資格認定制度委員会事務局(フェザー安全剃刀㈱内)に提出する。
- 「更新ポイント保留願い」は、実験病理組織技術研究会ホームページ掲載の書式を用いること。
- 保留期間は1年間とし、保留期間中は認定資格を停止する(但し、会費は継続して支払うこと)。 復帰する者は資格認定制度委員会事務局に復帰届を提出すること。
- 休会期間中は更新ポイントの救済措置には該当しない。
- 更新者には、資格認定更新証を新たに発行する。
- 実験病理組織技術研究会の名誉会員、特別会員、功労会員及び顧問は永久資格とする。
別表 資格認定更新についてのポイント基準(5年間)
1.実験病理組織技術認定士
項目 | 内容 | 条件 | 取得ポイント |
---|---|---|---|
学術 | 総会・学術集会 | 参加 | 10(2023年まで) 15(2024年から) |
実技講習会 コントロールサーベイ その他イベント |
参加 参加 参加 |
20 10注1 10 |
|
発表/報告 | 総会・学術集会 技術研修会 研究会誌 |
発表(共同発表) 発表(共同発表) 投稿 (共同発表) |
20(10) 20(10) 30(10) |
注1)1回の参加につき1施設2名までポイント付与対象とする。
2.実験病理組織技術指導認定士
項目 | 内容 | 条件 | 取得ポイント |
---|---|---|---|
学術 | 総会・学術集会 | 参加 |
10(2023年まで) 15(2024年から) |
実技講習会 コントロールサーベイ その他イベント |
講義及び実技参加 参加 参加 |
20 10注2 10 |
|
総会・学術集会 技術研修会 実技講習会 研究会誌 |
座長 座長(GM司会/記録含む) 講師(指導員) 論文の査読 |
10 10(10) 20(10) 10 |
|
発表/報告 | 総会・学術集会 技術研修会 研究会誌 技術研修会/コントロールサーベイ アンケート集計報告 同上 |
発表(共同発表) 発表(共同発表) 投稿 (共著) 発表(共同発表) 会誌への投稿(共著) |
20(10) 20(10) 30(10) 20(10) 30(10) |
運営協力 | 実技講習会 コントロールサーベイ 資格認定試験 |
標本提供など 標本提供など 標本提供など |
20 20 20 |
資格認定試験 資格認定試験 ホームページ運営作業 |
試験問題作成(5問以上) 試験官 資料作成/掲載など |
10 10 20 |
|
JAH外活動 | 実験病理組織技術研究会活動として、他団体・他施設等での講演や指導など | 30 |
注2)コントロールサーベイのポイントは20ポイントまでとする